2006年06月07日

J-word

 ぼくは「ジャーナリズム」という言葉を見ると、なんとなく尻のあたりがもぞもぞする。より傲慢な言い方をすれば、尻がもぞもぞするような文脈で使われているのを見る場合がほとんどだ、と感じる。
 この尻のもぞもぞ感というのは説明が難しいのだけれど、その、かぎかっこの中の言葉/営為/可能性/凶器を、そんなにゾンザイに扱わないでほしい、憎み、愛してほしい、為にする議論に使わないでほしい、そもそも、何を意味しているのよ、ていうか、語る前に行動しろよ、俺だったらどうする、などなどの諸々の思いやら感情やらが入り混じって神経を刺激し擬似身体現象化するというあたりか。説明になってないけど。

 泉あいさん界隈を淵源とするウェブ上の議論では、このかぎかっこの中の言葉(i simply cannot bear to use the j-word here, there or anywhere in connection with that yakyakyakaloo; i feel its too insulting to the word/endeavor/possibility/poison/whatever-you-want-to-call-it.)がかなり頻繁に使われているのだけれど、みるみるうちにすすけ汚れ息が絶え黒く干からびていくようで、なんとも見るに耐えない気持ちがしている。

 「ジャーナリズム」の擁護者を気取るつもりはない。そんなことはぼくの能力も意図も超えたことだし、そもそもそれが何なのか、ぼくには分からないし、これからもそうだろう。しかし、ぼくのごく限られた世界の中にも、この言葉/営為/可能性/凶器と真摯に向き合ってきた人たちが残した、知の遺産とでも言うべきものが確固としてあるのが見える。ぼくは、そういうものに敬意を払い、理解し、学ぼうとつとめ、自らの足元を照らしてくれる明かりのひとつとして、感謝したい。

 「ジャーナリズム」を語るひとすべてに、いい仕事をしてほしい、とぼくはその受け手として本当に思うし、その作品で、ぼくに知識と、他者に対する想像力と、愚行に対する怒りと、ひとは独りでは生きられないのだという思いと、明日への希望を与えてほしいと、切に願っている。


*いかにも臭い(^^;けど、ま、こんなもんでしょう。
posted by harmoniker at 03:21| マイアミ ☀| Comment(3) | TrackBack(0) | 雑報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 尻のあたりがもぞもぞする感覚、共感できます。
 記録し、光をあて、テーマを設定し、論点をあぶり出す…というか、いい仕事してみたいと思います。
Posted by おどるしんぶんや−。 at 2006年06月07日 12:21
 期待してます>新聞屋さん。
Posted by harmoniker at 2006年06月11日 11:21
押し後残します
Posted by 人妻 at 2008年01月26日 17:57
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック